ストレスチェック制度
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国もいよいよストレスに本腰?ストレスチェック制度とは・・・

平成27年12月から導入されたストレスチェック制度の目的や制度の概要について、働く人に分かりやすく解説しています。

平成27年12月から、ストレスチェック制度が導入され、労働者に対し、年一回ストレスに関する簡単な検査を実施することが事業所に義務付けられました。 そこで、目的や制度の概要について、働く人に分かりやすく解説します。

何のためのストレスチェックなの?


ストレスは様々な病気を引き起こす

ストレスは万病の元になる

ストレスが原因となる様々な病気、例えば、うつ病、ストレス性の胃炎、心臓疾患などは、働く人個人にとっても大きな問題です。

それに加えて、働く人の病気は、生計を一緒にしているその家族の生活にとっても一大事であり、一緒に働く仲間のいる職場の生産性にも、悪影響を与えます。

ストレス対策の必要性が叫ばれるようになった

これまで、健康診断などを通じて身体の健康状態を定期的に検査する仕組みはありましたが、その前段階とも言えるストレスの状況を定期的に検査する制度は、実は存在しませんでした。

その一方で、精神障害の労災認定件数が3年連続で過去最高を更新するなど、ストレスによる健康悪化が増加傾向にあり、対策が望まれていました。

キラーストレスを未然に防止する仕組み

ストレスチェック制度で医師からの助言

そこで、今回、労働安全衛生法という法律の改正により、ストレスの状況を検査する仕組みが設けられました。

ストレスがキラーストレスに発展して心や身体に深刻な影響が出る前に、医師の助言や診断を受けることを促したり、労働時間など職場での働き方の配慮をしたりなど、手が打てるようにしたのです。

このように、働く人のメンタルヘルスの不調が原因となる様々なリスクを減らし、キラーストレスに発展する前に未然に防止することが、この制度の大きな目的となります。

また、様々な分野や状況で働く人のストレスの状況を政府で集めることで、職場環境の改善に向け、業界の慣行、統一的な制度や法律の改善をしやすくすることも、目的の一つといえるでしょう。

ストレスチェックの方法は?


ストレスチェックのルールは各事業所が作成する

ストレスのチェック項目

ストレスチェックは、事業所、すなわち職場が実施するものであり、具体的な実施に関するルールや体制は、各事業所が作成しなければなりません。

例えば、以下のようなことを決める必要があります。

  • ストレスチェックの実施責任者
  • 実際にチェックを実施する医師などの選定
  • 質問票の回収などの実務担当者
  • ストレスが高い人に対して面接指導を行う医師の選定

質問票を配布して記入してもらう

実際のチェックは、働く人に質問票を配布して、それに記入をしてもらう形で行います。
この質問票も事業者が作るものですが、実際には国が推奨する質問項目の雛形がある程度出来上がっており、公開されているので、それを若干アレンジしたものとなることが多いでしょう。

医師からのフィードバックを受けて改善へ

記入が終わった質問票は医師などの実施者によって集められ、ストレスの程度について判断が加えられた後、本人にフィードバックされます。

結果のフィードバックはあくまでも本人に対してのみであり、本人の同意が無ければ、企業や事業所に情報が行くことはありません。
結果のフィードバック後、必要に応じ、本人が医師に面接指導などを受けます。

医師の指導内容に従い、事業所に就業上の相談をして、本人と事業所とで環境を改善していくことになるわけです。
こうして、個人のストレスの程度に応じた対応が採られることになります。

企業が多額の賠償責任を負う可能性もあり

また、ストレスチェックの実施だけでなく、実施状況の労働基準監督署への報告も、併せて義務付けられています。

なお、ストレスチェックの実施に違反した事業者に対する罰則は、労働安全法には定められていません。 しかし違反した状況で、働く人が業務上のストレスによって病気になった場合、企業が労働契約法上の安全配慮義務を怠ったとみなされ、多額の賠償責任を負う可能性があります。

ストレスチェック制度が適用されない人は?


すべての労働者がストレスチェックを受けられるわけではない

ストレスチェックを受診

このような、労働安全衛生法に伴うストレスチェックですが、働く人の全てに適用されるわけでは必ずしもありません。

今回の改正では、以下の労働者は対象外です。

  • 契約期間が1年未満の労働者
  • 労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者

また、それらを満たした場合でも、従業員が50人未満の事業所では、ストレスチェックは努力義務にとどまり、必ず実施されるわけではありません。

このように例外はあり、働く人全てに適切なストレスチェックが受けられる状況ではまだない、というのが現状です。

また、ストレスチェックのやり方やそのフィードバック自体にも、まだまだ改善が必要なところがあるでしょう。

ストレスチェック制度はストレス社会改善の第一歩

しかし、国が本腰を入れて、メンタルヘルスの実態把握が法律で制度化された意義は、少なくないと思います。
ストレス社会で人々がもっと働きやすくなるよう、ストレスチェック制度の運用と着実な改善が望まれますね!

まずは自分の職場で、どんなストレスチェックをするのか、確かめてみてはいかがでしょうか?

ストレスチェック制度まとめ
 ストレスチェック制度記事のまとめ
  • 労働安全衛生法が改正され、働く人のストレスチェックが事業所に義務付けられました。
  • 目的は、ストレスによるメンタルヘルスの不調からくる病気などのリスクを少なくすることと、ストレス状況の情報収集による制度改善です。
  • 事業者は、質問票を作ってストレスチェックを実施するとともに、実施状況を労働基準監督署に報告する必要があります。
  • 労働者が少ない事業所や、労働者の契約期間、労働時間によっては適用されない場合があります。

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