実はストレス要因の上位に!将来の不安
内閣府が平成26年に実施した調査によれば、自分自身の将来について不安を感じている人の割合は、約70%。
世間の人々の実に三分の二以上は、将来の不安を感じているということになります。
また、ストレス要因に関する別のあるアンケート調査によれば、「将来への不安」はストレス要因の中で、「仕事に関すること」に次いで2番目となっています。
将来への不安の例として、高齢化する両親の介護や、結婚ができないまま将来が一人で老後を迎えること、体調不良など、様々です。
いずれにせよ、多くの人々が将来への不安を抱えているとともに、それをストレスと感じているのが現代社会の特徴と言えるでしょう。
不安が続くときは要注意!不安神経症の症状
人々の約70%が将来への不安を感じている現状では、不安を感じることは、むしろ当たり前だという考え方もできます。
ただ、将来への不安がストレス要因になり、その解消ができなくなると問題でしょう。
ストレスが解消されずに溜まることで自律神経のバランスが崩れてしまえば、胃腸や心臓といった臓器に悪影響を与え、体調不良や、様々な病気を引き起こしてしまいます。
また、身体だけでなく、うつ病にかかるリスクも高まります。
加えて、不安がなかなか解消されず、日常生活にも支障が出るとなると、全般性不安障害(GAD)やパニック障害といった、不安神経症にかかっているのかもしれません。
通常、人が不安を感じるときにはある程度明確な要因があり、それが取り除かれれば不安は和らぎます。
しかし、不安神経症では、はっきりした理由が無いまま、強い不安が長期間(概ね6か月以上)続くことになります。
強い不安により常に緊張してしまい、リラックスできません。
それが更なるストレスとなり、自律神経のバランスが崩れます。
そのため、不安感だけでなく、震え、筋肉の緊張、発汗、めまい、頭のふらつきなど、様々な身体の症状を伴い、慢性的に憂うつになったり、気力が失われたりするのです。
このような症状が継続してしまうのがGADであり、数分ないしは数秒といった短い時間で突発的な不安症状に陥るのがパニック障害です。
いずれも、心療内科で抗不安薬の処方を受けるなど、専門医の治療が必要な病気です。
また、早期に治療を開始すれば、それだけ回復も早まります。
誰しもが不安を抱えている現代だからこそ、我慢せず、自分の不安が治療を要する病気かどうか、専門医に早めに相談するようにしましょう。
気の持ち方も生活習慣も重要。将来の不安に負けない対策
日常生活に影響を及ぼさない程度の不安は、将来への不確実性へのストレスからくるものであり、誰しもが抱えています。
そんな不安を不安神経症などの病気に発展させないよう、日ごろから意識して対策をとっておきたいものです。
対策1:不安の正体を突き詰めて考えてみる
不安とは、将来の不確実性からくるもの。でも、不確実だからといって、何もかもが自分でコントロールできないことではないはずです。
何に対して不安を持っているのか、そして、不安に対して少しでも自分ができることは無いのか。
例えば、お金に不安があるなら、毎月少しずつでも貯金をするなど、突き詰めて考えれば、自分のやるべきことが見えてくるはずです。
対策2:思い切って不安を誰かに伝えてみる
不安を誰かに伝えることで、自分の不安を理解してもらえたという安心感を得ることができます。
また、人によっては不安に対処する行動について、より具体的なアドバイスをくれることも期待できるでしょう。
不安やストレスをため込まず、思い切って親しい人に話してみることが大切です。
対策3:食事、運動、睡眠。規則正しい生活でストレス耐性をつける
不安に負けないようにするには、ストレス耐性をつけることが重要。
そのためには、栄養のバランスのとれた食事や、適度な運動、そして十分な睡眠という、規則正しい生活が何よりです。
不安だからといって、暴飲暴食をしたり、夜眠らなかったりすると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
「自分らしく」あるためセルフチェックまとめ
- 政府の調査やその他のアンケートによれば、日本人の多くは、自分や両親の老後、健康問題など、将来について不安を感じており、ストレス要因になっています。
- 不安は誰にでもあるものですが、原因がよくわからない不安が続き、日常生活にも支障が出るような場合は、不安神経症の可能性があります。早めに医師や専門家に相談しましょう。
- 誰しもが抱える不安を深刻な病気に発展させないよう、不安の原因を突き詰めて考えたり、誰かに伝えたり、規則正しい生活でストレス耐性をつけることが重要です。
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