下痢よさらば!ストレスからくる下痢の傾向と対策
風邪でもノロウイルスでも無いのに、緊張したときに襲ってくるお腹の痛みと強烈な便意。
思わずトイレを探して走り回った経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか?
身体はどこも悪くないのに、大事なときに突然やってくる下痢の症状は、とっても悩ましいですよね。
そこで、ストレスからくる下痢の原因とその対策について紹介します!
実はあなたも?ストレスからくる、いわゆる過敏性腸症候群について
食中毒や胃腸の疾患など、下痢にも様々な原因がありますが、血液検査や内視鏡検査でも原因がわからない、やっかいな場合があります。
そのような症状は、現在、過敏性腸症候群(IBS)という病名で呼ばれることが少なくありません。
IBSは、病院で受診しない潜在的な患者も含めると、日本の成人の5~20%が当てはまると考えられています。
IBSには、下痢の他に便秘の症状もありますが、いずれにせよ検査で異常がみつからないので、なかなか病気として扱われないことも、悩ましいところです。
では、どうしてそのような症状が出るのでしょうか?
IBSの最大かつ直接の原因は、ストレスです。
仕事や職場環境に対する不安や緊張などのストレスによって自律神経のバランスが崩れると、小腸や大腸などの消化管の動きがうまくコントロールされなくなってしまい、腸の運動に異常が生じます。
例えば下痢の場合、腸のぜんどう運動が必要以上に活発化して便の通過速度が速くなるとともに、大腸で便の水分を十分に吸収できなくなり、便が水っぽくなって、症状が引き起こされるのです!
今すぐ止めたい!下痢症状の緊急対策とは
そんな辛い下痢の症状には、何よりもまずトイレに駆け込むことが最優先です。
でも、次の駅までが遠い電車の中など、すぐにはトイレに駆け込むことが難しい状況ということも、少なくないでしょう。
そんなときの対策について、以下にまとめてみました。
対策1:水がなくても飲める下痢止めの市販薬
IBSの存在が広く知られるようになったからか、現在、様々な製薬会社から、電車などの移動中でも水なしで飲める下痢止めの市販薬が販売されています。
これらの成分自体は、各メーカーに大きな差はありませんが、フレーバーや口どけ(?)が違うようです。
そのため、いくつかのメーカーの製品を試してみて、自分に合うものを常に忍ばせておくとよいかもしれません。
対策2:お腹をさすって温める
お腹をさすって温めることで腸の急激な動きを抑えるとともに、自律神経の興奮も抑えることができます。
下痢の症状が慢性化している人は、カイロなど、お腹を温めるものを夏でも常に用意しておくとよいでしょう。
対策3:お腹の圧力を下げる
ベルトやウエストを締め付ける服などでお腹の圧力が高い状態だと、痛みや便意が強くなる傾向にあります。
そこで、ベルトがあるなら緩め、スカートのホックを外すなど、お腹にかかる圧力を少しでも減らすようにしましょう。
対策4:身体のツボを押す
手の甲にあるいくつかのツボが、下痢に効果があるとされています。
例えば、中指と薬指の骨が交わるあたりには、そのものずばり「下痢点」と呼ばれるツボがあり、ここを刺激すると症状が緩和されるそうです。
下痢の症状が出ているときには、なかなかツボを探す余裕がないでしょうから、日ごろからマッサージしておく習慣をつけるとよいかもしれません。
対策5:括約筋に意識を集中させる
トイレまでなんとかたどり着かねばならないとき、お腹全体や痛みではなく、肛門に意識を集中させましょう。
肛門にある外肛門括約筋という筋肉、これがしっかり閉じてさえいれば、お腹が痛くても漏れ出ることはありません。耐えましょう・・・。
根本的な治療は、ストレス対策と胃腸をいたわること
IBSなど、ストレスが原因となる下痢は、いくらその場しのぎの対策を取ったとしても、完治するものではありません。
治していくためには、ストレスを解消していくことと、胃腸に負担をかけている生活を見直すことが重要です。
そのどちらにも効果があるのが、やはりまず、食生活の見直しでしょう。
コーヒーやアルコールなどの刺激物を避け、繊維質を多めにとるとともに、深夜の暴飲暴食を避け、規則正しい時間に食事をとることで、ストレスの解消とともに、胃腸への負担を軽くすることができます。
また、適度な運動も効果的です。ストレス解消になるだけでなく、腸の動きに適度な刺激を与えることで、消化管全体の働きが改善されます。
また、ストレス状態が続いているような場合は、心療内科等の病院へ相談し、ストレス解消について診断を受けることも大切です。
こまめなストレス対策で、下痢におさらばしましょう!
まとめ
- 病院の検査でも原因がわからない下痢の症状は、ストレスが自律神経に作用して起こる過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。
- 急な下痢症状でトイレに行けない場合には、市販の下痢止め薬や、お腹をさすって温めるなど、様々な対策を組み合わせるとともに、日ごろからの準備も大切です。
- IBSの対策としては、規則正しい食事や適度な運動などで、ストレス解消と胃腸へ負担をかける生活の見直しが大切です。