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そのめまい、メニエルかも!?メニエル病のメカニズムとストレス

「メニエル病」って、ご存知ですか?視界がぐるぐる回るようなめまいに加え、耳が詰まった感じがしたリ、聞こえにくくなったり、耳鳴りがしたりといった症状が周期的にやってくる、厄介な病気です。そこで今回は、メニエル病のメカニズムとストレスについて、紹介します。

そもそもメニエル病って何?症状や傾向について

ちょっと変わった名前の病気である「メニエル病」。その名前は、フランスの医師プロスペル・メニエールという人から取られました。メニエール氏が、めまいの原因の一つに内耳性のものがあることを初めて指摘したことにちなんでいます。

歌手の久保田利伸さんや、タレントの今井翼さん、元ピンクレディーの増田恵子さんなど、有名人が悩まされたケースも知られており、厚生労働省の特定疾患に指定されている難病です。

その主な症状は、

  • 回転性のめまい(ぐるぐる回る感じの立っていられないほどのめまい)
  • 耳鳴り、耳のふさがった感じ、難聴(特に低音域)
  • 頭痛、吐き気

などとされ、数十分程度症状の続く発作が周期的にやってきます。めまいや耳鳴りが起こっても、単純なストレスや疲労によるものなどと区別がつきにくいことから、メニエル病と診断されないこともあり、その結果、対処が遅れ、発作が慢性化してしまうこともあるようです。

なおかつての厚生省(現:厚生労働省)の調査によれば、メニエル病の発症は、30歳代後半から40歳代前半の女性に比較的多いとされています。該当する年齢の女性のみなさん、当てはまるかも、と思ったら、特に、上記の症状を伴う発作が繰り返されるようなら、メニエル病を疑ってみてもよいかもしれません。

メニエル病のメカニズムとその要因

難聴やめまいの症状からもなんとなく推測できるかもしれませんが、メニエル病は、耳の奥にあって平衡感覚を司る三半規管の異常が直接の原因となります。

具体的には、カタツムリのような形をしている三半規管の中に入っているリンパ液が、増えすぎて、いわば水ぶくれ状態になってしまうこと(専門的に言うと、「内リンパ水腫」という状態だそうです)。

リンパ液の量が正常であれば、その液の傾きや動きを身体が認識して、身体のバランスを取ることができます。しかしメニエル病では三半規管が水ぶくれを起こしているので、身体の姿勢に応じた正常なリンパ液の傾きが損なわれ、身体がバランスをとれなくなって、めまいなどが生じるわけです。

また、耳の奥が水ぶくれを起こしてしまうことから、耳が詰まった感じや、難聴などの症状も出てくることになります。

では、なぜリンパ液が増えすぎてしまうのでしょうか。実は、その要因自体ははっきりとは分かっていません。したがって、メニエル病での治療では、めまいや吐き気などの個々の症状を抑制する対処療法が中心になります。

加えて、三半規管にたまったリンパ液を排出しやすくするために利尿剤などが用いられます。症状が深刻な場合には外科手術を行う場合もあります。

いずれにせよ、病状が進んで症状が悪化したり慢性化したりすると、その分治療は困難になることから、専門医に早めの診断を受けることが大切です。

ストレスがメニエル病に与える影響は?

三半規管がリンパ液で水ぶくれになり、メニエル病となってしまう原因については、まだよくわかっていません。ただ、疫学的には、ストレスとの関連が深いと考えられ、特に、過度のストレスに伴う自律神経やホルモン分泌の不調が悪影響を及ぼすと考えられています。

具体的には、抗利尿ホルモンの分泌のバランスが崩れ、体内の水分循環や水分排出がうまくいかないと、リンパ液が溜まりやすくなるようです。

メニエル病にかかりやすいのは、奇しくも、30~40代とされています。その年代は、働き盛りで、仕事や家庭、子育ての責任も重くなってくるころ。ストレスがたまりやすい時期であると同時に、ついつい、ストレスを我慢しがちになることも少なくないのではないでしょうか?

メニエル病は、確かに難病ではありますが、命に関わる病気ではありません。ぐるぐる回るめまいも、カラダとココロのSOSなのかもしれません。メニエル病を予防することはもちろん、かかってしまった場合の治療でも、ストレスのある生活を自覚して、見直すことが大切です。

まとめ

  • ぐるぐる回るようなめまいなどの発作が周期的に起こるメニエル病は、難病ですが、特に初期症状だけから適切な診断がされないこともあるので、注意しましょう。
  • メニエル病は三半規管のリンパ液が増えすぎたことが直接の原因ですが、なぜそれが発生するのかは具体的には分かっておらず、治療は対処療法が中心になります。
  • 疫学的には、メニエル病はストレスとの関連が深いと考えられており、予防や治療のため、ストレスの解消が大切です。

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