新宿ストレスクリニック名古屋院院長
うつ病は何らかの過度なストレスが引き金となって起こってしまいます。ストレスの主な原因は人間関係による精神的ストレスだと考えられがちですが、必ずしもそれだけではありません。人間関係以外にも、情報過多や24時間化生活、SNSなどによるソーシャルストレスなど、時代や環境の変化へ順応ができず、うつ症状がでることもあります。
うつの原因となるストレス4つ
ストレスには大きく分けると4つの種類があります。ストレスが重なると結果的にうつ病になってしまうので、うつ病対策にはストレスをよせつけない事が大切です。
ここでは、意外と知られていない4つのストレス要因についてご説明していきましょう。
1.構造的ストレス
構造的ストレスとは、主に「身体の歪み」によるストレスです。身体が歪んでいる人は意外に多いのですが、身体が歪んでいると、歪んだままの情報が脳に伝わってしまい、意識の有無にかかわらず、脳はストレスを感じてしまうのです。つまり身体の歪みを克服しない限りは、脳はストレスを感じ続けるという事です。
うつ病や自律神経失調症は、
- 頭蓋骨
- あご
- 全身の筋肉
- 背骨
- 骨盤
などの歪みが関係しています。頭蓋骨が歪むなんて…と不思議に思う方もいるでしょうが、うつや自立神経失調症の人は、頭蓋骨が歪んでいる人が多いようです。その他にも、全身の膜組織と言われる内臓や、脳を支える布のような組織も歪んでしまう傾向にあります。これらの情報は脳に伝わり、脳は確実にストレスを受けてしまいます。
2.化学的ストレス
化学的ストレスとは主に「食事」から受けるストレスの事です。ある栄養素を過剰に摂取していたりまたは不足しいたりしても、その情報が脳に伝わりストレスを感じてしまいます。はやりの糖質オフも、厳密にやりすぎてしまうと、生体内の代謝回路に負荷がかかってしまい、身体的にはストレスを感じてしまいます。栄養素以外にも、化学物質や匂いにも化学的ストレスが存在します。。
3.精神的ストレス
「こころ」の精神的なストレスは、恐らくストレスのタイプの中で一番多いものでしょう。人間関係で嫌な事があったり、悲しい出来事があったりすると、私たちは「嫌だなぁ」、「つらいなぁ」という感情を持ちますよね。これが精神的ストレスになります。
4.環境のストレス
寒すぎたり暑すぎたりしても、私たちの身体はストレスを感じてしまいます。さらに、気圧などの変化もストレスになってしまうので、天気が悪いだけでもストレスを感じる場合があるということです。サイズのきつい服や、体温調節のしにくい服もストレスとなり得るので、うつ病や自律神経失調症の人は体温にも気を配る必要があります。
温度と湿度のストレスは、これだけでうつ発生の原因になる事はありませんですが、すでにうつ症状や自律神経失調症の症状がある人には、温度と湿度によってもともとの症状が悪化する恐れもあるので、油断できません。
ストレス性うつ症状の具体例
ストレス性うつ症状にかかった場合、身体的症状、精神的症状として、具体的にどのような症状が表れるのか見ていきましょう。
- 睡眠障害(不眠・過眠)
- 食欲不振、あるいは過食
- 倦怠感、疲労感
- 体の様々な痛み
といったものがあります。心が重くて眠れない、うつ病で眠れない日々が続いているという人も多いでしょう。
また、うつ病になると感情や感受性がうすくなる人が多く、「最近、こころから笑ったことがないなどと無感動な状態が続きます。これらは全て「身体的症状」と呼ばれ、うつ病の典型的な症状となります。簡単に言えば、周りから見てすぐにそれと分かる症状の事です。
精神症状は極めて重い
身体的症状について上記で説明してきましたが、次に精神的な症状について着目してみましょう。ストレス性うつ症状の大きな特徴と言えば、「自己評価が著しく下がる」事ですが、その他にも以下のような症状があります。
- 無気力になる
- やる気が起こらない
- 今まで楽しいと思えていた事がつまらなくなる
- あらゆる面で自己肯定感が低下する
解説
自己評価の低下というのは、周囲から見た評価ではなく、自分でくだす評価の事です。例えば周りの評価がどんなに素晴らしくても、自分に自信が持てません。自分は駄目な人間だ、価値のない人間だと思い込んでしまうのです。
また、罪悪感を強く感じる傾向にもあります。自分は誰かをひどく傷つけてしまったのではないか、仕事でトラブルを起こしたのは自分のせいではないか、うつ病になったのは頭がおかしいからではないかなど、心配ばかりしてしまいます。
睡眠障害や摂食障害は周りからも気付かれやすく、心配されることもあるでしょう。しかし精神面での症状だけだと周りが「おかしいな」と気付いてあげる事がなかなか難しいのです。
例えば本人の自己評価が低くなっていたとしても、それは本人の意識の問題なので、周りが気付いてから心配するにまで至ることが難しいのが現実です。無気力になることがあったり、今まで楽しめていた事に興味が持てない事も、なかなか表面化しにくく、周囲は気付きにくいでしょう。
自分自身でも「私はうつ病なのかもしれない」と気付かないケースも多いです。その結果、医師への受診が遅れてしまい、悪化してしまうケースもよくあります。親しい人との死別など、要因が明らかな場合、周囲は心を配ることができますが、一般的な環境の変化が原因でうつ症状がでるなど、その他の事が複雑にからみあって発生するうつ症状は、周囲からの理解が遅れてしまう事もあり得ます。
すぐにできるストレス解消方法
ストレス性うつにならないようにするため、あるいはもっと病状を進行させないようにするためにも、ストレス解消法をたくさん実践していきましょう。解消法は人それぞれ異なっています。一般的に誰でも解消できるような方法をお教えします。
- ガムをかむ。(緊張をほぐすセロトニンが分泌され、高ぶった神経を鎮めてくれます)
- 音楽を大音量で聴く。歌う。
- 充分に睡眠をとり、太陽の光を浴びる。
- ストレッチや軽いランニングやウォーキングなどの運動
まとめ
- 「構造的」「化学的」「精神的」「環境」の主に4つのストレスパターンがうつ病の要因として存在します。
- ストレスはためないことが先決です。症状を進行させないためには自分自身がリラックスする行動パターンを知ること、見つけることを意識してください。
新宿ストレスクリニック名古屋院院長