三半規管や脳、自律神経など。めまいの主な原因とメカニズムは?
くらくらするようなめまいの症状。急に立ち上がったときの立ちくらみなど、原因がはっきりわかっていればよいのですが、そうでないと、不安ですよね。そこで、めまいが起こる基本的なメカニズムを押さえておきましょう。
めまいの症状とは、身体の平衡感覚、すなわちバランスを保つ作用が一時的におかしくなってしまうことです。
そのために大きな役割を果たすのが、まず、耳です。耳の奥にある三半規管にウイルス性の炎症などの異常が起こると、うまくバランスを取ることができなくなります。次に、脳も重要です。
脳の下の方にある脳幹や小脳も、身体の運動やバランスを司るので、例えば脳へ血液がうまく流れないなどで、これらの機能が低下すると、やはりめまいのような症状が起こります。
その他、高血圧や低血糖、姿勢の悪さなどからくる首、肩、顎の骨や筋肉の異常、自分でも意識しないケガの後遺症、そして自律神経の乱れなど、実は、めまいの原因は様々で、しかもそれらの原因が複合して起こることも少なくありません。
そのうち、耳の炎症は耳鼻科で診断を受けることができますし、脳の異常は例えばMRIなどを使えば判明します。また、耳や脳の異常は、放っておくと大きな症状になりがちです。めまいの症状が続くようなら、やはり専門医にかかった方がよいでしょう。
でも、専門医にかかっても原因がどうもわからない、そういうときは、ストレスからくる自律神経の乱れが、めまいの原因であるという疑いが出てきます。
なぜ自律神経の乱れがめまいにつながるのか?
身体がストレスを感じると、交感神経と副交感神経という二つの自律神経のうち、交感神経が活発になります。交感神経が活発になると、血管が収縮し血の巡りが悪くなることもあります。それによって、例えば脳や三半規管に血液が流れにくくなることがあるため、めまいの症状につながるわけです。
そう考えると、三半規管や脳が直接の原因となっためまい症状でも、その背景には自律神経の乱れがあり、その背後にはストレスが控えている。多くのめまい症状では、そのようなことが言えるのかもしれません。
自律神経の乱れはストレスから!まずはストレスの解消を考えよう
これまで述べたように、めまいは複合的な現象ですが、その大きな要因の一つに、過度なストレスに伴う自律神経の乱れがあるとされています。したがって、ストレスを上手に解消することが、めまいを治すきっかけとして重要です。
ストレスと言うと、何かブラック企業に勤めている人や、大きな事故や災害にあった人のようなイメージがありますが、ごく普通の人でも、仕事や人間関係など、様々なストレスを抱えているもの。そういった自分のストレス要因を洗い出し、遠ざけることができるならば、遠ざかってみましょう。
その上で、食事や睡眠など、規則正しい生活を送ることが大切です。ストレス発散のために、遊びなどを積極的に行うケースもありますが、何事もやりすぎは注意です。ストレスで自律神経が乱れるのは、カラダやココロが「今は緊急事態だ!」とスクランブルを起こし、必要が無い時でもそれが続くから。
せっかくの楽しい遊びも、過ぎてしまえばストレス要因になります。それに反して規則正しい生活は、そんなカラダとココロの過剰反応を鎮静化させることになります。
バランスの取れた食事や、十分な睡眠、適度運動を通じたストレスの解消と、それに伴う自律神経のバランス回復は、めまいはもちろん、身体の様々な症状を和らげることに役立ちます。身体の健康が取り戻されれば、めまいの症状にもよい影響があることは、間違いないでしょう。
しかもストレス解消は、医者やお薬に頼らず、自分で気軽にできることも魅力ですよね。そんなわけで、めまいに悩んだとき、まずは、ストレス解消を考えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
- めまいの原因には、三半規管や小脳などの身体の平衡を司る器官の異常や、ストレスなどによる自律神経の乱れによるものがあります。
- ストレスによって自律神経が乱れ交感神経が活発になると、血管が収縮して血流が滞ることがあるため、めまいを起こしやすくなります。
- 自律神経からくるめまいには、ストレスの解消が第一。規則正しい生活で、めまい以外の症状にも良い影響があります。