健康法・ストレス対策
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ストレスコーピングでストレスときちんと向き合い、対処する

近年注目されているストレス対策として、コーピングという手法があります。コーピングは、過酷な環境で仕事をする宇宙飛行士のストレス対策や、企業研修に用いられるなど、様々な場面で活用されています。ではコーピングとはいったいどんな手法でしょう?その考え方と方法についてまとめました。

簡単におさらい。ストレスコーピングの考え方について

ストレスというと、その解消や予防、すなわち、ストレスをいかになくすか考えがちです。

しかし、コーピングの考え方は少し異なります。そもそもコーピングとは、英語の「cope=問題に対処する」という言葉に由来し、ストレスの存在を認めたうえで、それに対処する方法論を指します。

ストレスへの個々の対処方法を整理し、使い分けることで、ストレスと共存していく考え方と言えるのかもしれません。

専門家による分類としては、ストレスの原因そのものを除去しようとする「問題焦点型コーピング」や、ストレス要因はそのままにその受け取り方や気の持ちようを変える「情動焦点型コーピング」などがあり、個々のコーピング行動はいくつかに分類されると考えられています。

いずれにせよ、生活環境やストレスの程度、好みなどは、人によって様々であり、何をコーピング行動にするかは、人によって様々です。

自分がどのようなストレスを抱え、何によって対処しようと考えるのか、様々な手法を組み合わせることが重要であるとともに、個人一人一人とストレスの関係を見える化することが、コーピングの大きな特徴と言えるのかもしれません。

まずは書き出してみることから!具体的なコーピングの方法

では、コーピングとは、実際にどのように行うのでしょうか。

まず、ストレスを和らげ、気分転換になるような行動(読書、音楽鑑賞、甘いものを食べる、など、問題焦点型、情動焦点型問わず、何でもアリです)を、あらかじめ、できるだけ多くピックアップしておきます。

目に見えるように、紙か何かに書き出しておくのがよいでしょう。

目に見えるように、紙か何かに書き出しておくのがよいでしょう。

そして、ストレスを感じたとき、気分転換となる行動を取ってみて、実際にストレスが緩和されたか、自分で確認します。

まだストレスが続くようなら、気分転換を続けたり、別の行動に切り替えたりします。

つまり、ストレスとその緩和を自分でチェックして繰り返し、どの程度のストレスに対し、どんな気分転換が、どの程度必要か、常に意識できるようにしておくわけです。

これにより、例えば、「仕事で上司に怒られた」ときには、「カラオケで一時間歌うようにする」と楽になった、いうように、ストレス要因とその解消方法を、ある程度結びつけることができるようになります。

そうなればしめたもの。仮に上司に怒られたとしても、後でカラオケに行けばいいと割り切れるので、ストレスの感じ方も変わってくるわけです。

実際コーピングは、ストレス耐性に影響するという、脳の扁桃体の機能を高めるという指摘もあります。

コーピングを通じ、ストレスとその対策について自分で考えるという作業を通じ、脳の思考や意欲や実行する機能をつかさどる前頭葉を活性化することにつながり、扁桃体の機能を高め、ストレス耐性がつくとされているのです。

コーピングをもっと活用するために必要なことは?

コーピングにおいては、ストレスを受けたときに試せるよう、様々なストレス対策をあらかじめピックアップしておく必要があります。

コーピングをもっと活用するには、そのようなストレス対策の数を、少しずつでも増やしていくことが大切です。

そのために必要なことは、やはり、小さくてもよいので、プライベートで色々なことにチャレンジしてみることでしょう。

仕事が忙しいと、どうしても職場と部屋の往復で一日が終わってしまい、新しい刺激に乏しい生活になってしまいます。例えばですが、通勤時にいつもと違う道を通ってみると、意外な街の景色に出くわすこともあるでしょう。

いつもの一駅手前で降りて歩けば、運動にもなるはずです。

休日の過ごし方を変えてみてもよいでしょう。

運動が好きな人なら、美術館や映画館に行ってみる、逆に、運動が苦手な人なら、ジョギングやウォーキングを始めるなど、いつもと違うことを試してみてはいかがでしょうか?

まとめ

  • コーピングは、ストレスとそれに対処する方法を整理し、使い分けられるよう整理しておく方法です。
  • コーピングの具体的な方法は、ストレス解消につながると思う行動をあらかじめピックアップしておき、ストレスを感じたときに、その行動とストレスの解消の程度をチェックし、次にストレスを感じたときに役立てるようにします。
  • コーピングをもっと活用するには、ストレス対策の数を増やすことが大切です。小さなことでもいいので、新しいことにチャレンジしてみましょう。

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