目まぐるしいスピードで過ぎていく現代社会。
ストレスを感じると突然呼吸が苦しくなる、そんな経験がある方もいらっしゃると思います。
実は呼吸とストレスには深い関わりがあり、上手な呼吸方法を意識することで、ストレス解消にも繋がることがわかっています。
吐き気や頭痛…。そんな体の不調は、ストレスからくる過呼吸かも!?
浅く早い呼吸になると脳は酸欠状態に
ストレスを強く感じると、浅く早い呼吸になってしまいます。あまりの息苦しさに、このまま死んでしまうのでは?と感じたことはありませんか?
このような症状を過呼吸症候群(過呼吸)と呼びます。
一度経験した場合、またあの苦しさに突然襲われるのではないか?と恐怖心を抱くことになります。
また、過呼吸はただ息苦しくなるだけではなく、呼吸がうまくできないことで、体や脳、血液中が酸欠状態になってしまい、頭痛や吐き気、筋肉の硬直、めまいなどを引き起こしてしまうこともあります。
頭痛が続いている人は要注意!
過呼吸症候群とまではいかなくとも、自分では気が付かない程度の浅く早い呼吸をしている人も、似たような症状に陥ってしまうことがあるようです。
「最近、頭痛が酷い」など、何かしらの体の不調を抱えている人は、浅い呼吸により体が酸欠状態になっている可能性もあります。
ストレスで呼吸が浅くなっているのなら、「ストレス自体を取り除かなければ呼吸も体の不調も改善されないのではないか?」という考え方もありますが、実は呼吸をコントロールできるようになると、ストレスを溜めにくい体質を手に入れられるのです!
ストレスを感じた時の呼吸をチェック
緊張している時はある種の危険状態
仕事や人間関係、将来の悩み、焦りや不安、緊張しているときなど、精神的ストレスで自然と呼吸は浅くなりがちです。
そういうストレスを感じているとき、自分で自分の呼吸をチェックしてみましょう。
いつもより心拍数があがっていて、呼吸の間隔も短くなっていませんか?
緊張している時はカラダにとって、ある種の危険状態です。
その危険な状態から早く脱出するために、呼吸をいっぱいすることで体内に酸素を大量に送り込もうとする働きが出てきます。
緊張しているときに「深く息を吸って」「深呼吸をしなさい」という、どこかで聞いたあの言葉は、先人たちが緊張する時に発見した知恵そのものなのです。
ストレスを感じたら実践したい呼吸法をご紹介
私たちの生命を維持するために、欠かせない「呼吸」が浅くなると、脳や体内の機能が低下します。「頭痛」や「めまい」だけでなく、自律神経が乱れ集中力が低下し、イライラしやすくなったり。また病気への対抗する力、免疫力も低下しやすくなったりするので、病気にかかりやすくなる、という訳です。
逆を言えば、ストレスを感じているときこそ、呼吸に意識することで、脳や体に酸素がいき渡り、不調を改善し、リラックス効果を得ることができます。
ストレスを緩和し、リラックス効果を得ることができる呼吸法を紹介していきます。
ストレスに強くなる呼吸法。基本は「腹式呼吸」
呼吸は「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の2種類がありますが、腹式呼吸は胸式呼吸より多くの酸素を体に取り入れることができます。
意外と胸式呼吸をしている人も多いので、普段の生活の中でも、腹式呼吸を意識して行うことで、ストレスに強くなることができます。
「腹式呼吸」のやり方
- 姿勢を正し、鼻からゆっくりと多くの息を吸い込みます。
- 「おへそ」の下あたりに空気を貯めるイメージでお腹を膨らませ、吸いきったら、ゆっくりと口から息を吐きます。
- このとき、膨らませたお腹をへこませます。
慣れないうちはなかなかイメージが掴みにくいですが、ゆっくりと時間をかけて、鼻から息を吸い、口から吐くことがポイントです。
風船を膨らませる動作も腹式呼吸なので、風船を使って練習するのも効果的です。
「バンザイ呼吸法」で脳がスッキリ目を覚ます!
バンザイ呼吸法は神経を切り替えることができ、脳がスッキリと目覚める呼吸法です。
バンザイ呼吸法は、交感神経を活性化することができるので、脳が目覚めていない「朝」におこなうとより効果的と言われています。
- まず、姿勢を正し、「おへそ」のあたりに両手を置きます。軽く両手で腹部を押し、息を吐き出し、上半身をゆっくり前へ倒します。
- 息を吐き出したら、右足を前に出し、倒した上半身をゆっくりと起こします。
- 上半身を起こしたら、大きくバンザイのポーズをしながら息を吸います。
- バンザイのポーズをするときは、手のひらを空に向け、首筋を伸ばしましょう。
- 両手を腹部にゆっくりと下し、前に出した右足も元の位置に戻します。
- この動作のあと、次は前に出す足を左足にします。右足、左足で1セット。一度に3セット行います。
心を「無」にしながら深い呼吸をする
ストレス解消のため、ゆっくりと大きく呼吸することが効果的ではありますが、心に溜まった雑念を吐き出すようなイメージで、呼吸をすると、よりリラックス効果が得られます。
「今、ここにいる」ということだけに集中することで、イライラや荒ぶる心を落ち着かせることができます。
この場合は、息を吸う時間よりも吐く時間を3倍以上長めにすることがポイントです。副交感神経を刺激し、安静なリラックスした状態を得られます。
「呼吸とストレスの関係」まとめ
- 呼吸とストレスは深い関わりがあり、ストレスを感じると呼吸が浅くなる。
- 呼吸が浅くなると、体や脳が酸欠状態になり、心身ともに不調を感じる可能性がある。
- 悪化すると過呼吸症候群になることもあります。
- 自律神経失調症(うつ病)の人にも、呼吸がしにくいという症状が見られる。
- 不調を感じたら、呼吸をチェックしてみる。
- 普段の生活の中で腹式呼吸を意識することでストレスによる症状が改善できる。