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だるい、眠れない・・ご存知ですか?9月病について

「9月病」という言葉をご存じですか?だるい、眠れないなど、ゴールデンウィーク明け何となく調子が悪くなる5月病は、広く知られています。しかし近年は、夏休み明けの9月にも、同じような症状を感じる人が増えており、「9月病」と言われているのです。

生活や気候の変化がストレスに?9月病が起きるメカニズム

教室

9月病の主な原因は長期休暇による生活リズムの変化

5月病と比べて、決して世間に知られているとは言えない9月病。

でも、子どもの自殺が最も多いとされるのが夏休み明けの9月1日であることなど、聞いたことがあるのではないでしょうか?9月は、実は子どもだけでなく、大人の心身にも影響が出やすい時期なのです。

理由の一つは、お盆などの長い休みからの環境適応です。そもそも9月病は、長いバカンスが慣習化しているヨーロッパで指摘されてきました。

近年日本でも、ヨーロッパほどではないにしろ、工夫して夏に長い休みを取る人が増えているそうです。そこから日常の仕事に戻る過程で、うまく生活リズムの調整ができず、心身の不調が出ることがあります。

9月は急に涼しくなる

9月病

もう一つが、気温や日照時間の急激な変化でしょう。暑い日が続いた夏も終わりに近づくと、日中は残暑が厳しくても、朝夕は急に涼しくなります。

また、陽が落ちるのも早くなるとともに、台風も頻繁にやってきます。このような天候も、やはり生活リズムを乱してしまう要因になりがちです。

このような事情を背景に、主に睡眠を十分にとることができないなどの理由で、溜まったストレスが解消されず、9月病として、頭痛やめまいなど、様々な症状が出ることになるのです。

更年期や疲労と間違いやすい9月病。医師の治療が必要な場合も・・・悩む女性

9月は心身に様々不調が生じやすい

9月病は、「病」と呼ばれますが、何か具体的な病名というよりも、9月という時期に生じる様々な不調の総称です。

だからと言って、不調をそのままにしておくと、治るどころか、症状がより深刻になりかねません。

例えば、抑うつ症状が深刻になってしまい、うつ病の診断を受けてしまうと、心身はもちろんのこと、働くことが難しくなり、収入にも影響が出てくるでしょうし、治療に長い時間がかかってしまいます。

また、不眠症が重度になれば、薬物での治療が必要になり、身体への負担も出てくることになります。

症状が重くなる前に相談!

9月病の症状自体は疲労にも似ていますし、特に女性は(最近は男性も?)更年期の症状と間違われることもあるようです。

ついつい忙しさにかまけて無理をして、適切な治療や対応が取られない可能性もあります。

症状を自覚してから概ね1か月程度治まらないようであれば、医師に相談してみた方がよいかもしれません。

症状が重くなってからでは手遅れ。近年では、より重い症状でも、副作用がなく、患者のからだの負担が少ないとされる「経頭蓋磁気刺激法」(TMS治療)なども開発されています。精神科や心療内科、産婦人科など、億劫がらずに相談してみましょう。

やはり、9月病による不調は、ストレスに対し、休養や治療を求めるココロとカラダのシグナルと考えた方がよさそうです。

実は牛乳が効く!?9月病に負けないココロとカラダのために9月病には牛乳

良質な睡眠をとろう!

9月病への対策としては、生活習慣、特に食事や睡眠のリズムを整えることが何より重要です。

特に睡眠障害は、9月病の原因の一つでもあり、症状の一つでもあることから、とても重要です。

良質な睡眠をとるために必要なのは

  • 寝る前にぬるめのお湯につかって体を休めること
  • 就寝前にPCやスマホなどのブルーライトの刺激を見ないようにすること

など就寝前にPCやスマホなどのブルーライトの刺激を見ないようにすることなど、一般的な注意事項を馬鹿にしないで試すと、じわじわと効いてきます。

エアコンはできるだけ使わない

また、エアコンの使い過ぎにも注意です。温度差はもちろんのこと、エアコンの風に当たることでも、身体や内臓が必要以上に冷え、自律神経の乱れを促しがちになります。

牛乳や乳製品を少し意識して多めに取ろう!

そして食生活でいえば、牛乳や乳製品を少し意識して多めに取ることも、よいことでしょう。

というのも、それらには、「トリプトファン」という物質が多めに含まれているからです。
脳で分泌される「セロトニン」というホルモンは、9月病の症状である落ち込んだ気持ちを打ち消してくれる効果がありますが、その生成に必要なのが「トリプトファン」なのです。

毎日の食生活や睡眠にほんの少し気を配ることで、ストレスや9月病に負けないココロとカラダを目指したいですね!

「9月病」まとめ
  • 9月病は、ストレスの蓄積と、長めの夏休みからの環境の変化、暑い夏から涼しい秋への気温の変化など、様々な要因が背景にある症状です。
  • 特に女性の場合は、更年期障害などと勘違いすることがあり、適切な対処が遅れる可能性があります。しばらく症状が治まらない場合は医師に相談してみましょう。
  • 9月病の症状に効くとされる「セロトニン」。その原料となる「トリプトファン」は、牛乳や乳製品などに多く含まれるので、うまく活用しましょう。

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