投資はお金持ちだけのものではない!?個人投資家の状況
投資をしていない人にとって、投資家というと、ジョージ・ソロスのような高収入の人が巨額の資産を運用する姿とか、モニターに張り付いては株式の値動きに一喜一憂するデイトレーダーのようなイメージがまだまだ根強いのではないでしょうか。
ところが、日本証券業協会が平成28年に公表した調査結果などによれば、そのようなイメージとはちょっと異なる投資家の姿が浮かんできます。
主なデータについては、以下のとおりです。
- 個人投資家の70%以上は、収入が500万円以下
- 個人投資家の主な収入の上位2つは、「給与所得」「恩給・年金」
- 保有している証券商品の金額では、300万円未満が約47%
- 証券の主な購入目的は、短期的な売買でなく、配当などを得るため
このように、株式などへの投資は、特別な人たちだけではなく、普通に働いている人や年金暮らしの高齢者の資産運用の選択肢の一つとして考えられています。
また、2014年1月からNISA(少額投資非課税制度)がスタートし、少額の投資の非課税枠が広がったことから、コツコツ型の投資をする人は増えてくるのではないでしょうか。
実はこんなに危険!ストレスが狂わせる投資判断
短期的な売買目的ではないにしても、例えば、値下がりが続きそうな株式を損切りのために売却しなければならない場合もあれば、将来の値上がりのために同じ銘柄を買い足すこともあるでしょう。
物事にはすべからくリスクがあり、そのような売買の判断で、利益を得ることもある一方、かえって損失を広げることも無いわけではありません。
やはり、株式などの投資対象の値動きは気になるものです。
でも、その値動きが気になって他の活動に支障が出るようであれば、それは立派なストレス要因になると言えるでしょう。
実際、投資を専業にやっている投資銀行のトレーダーの多くは、数年でストレスに関連した疾患にかかったという、アメリカでの研究結果もあります。
また、仕事や家庭環境などでストレスを抱えてしまった状態では、投資判断が狂ってしまうことも考えられます。
ストレスが判断力を鈍らせるメカニズムは次のとおりです。
まずストレスを感じると、ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が脳内に放出されます。
これらの濃度が脳の前頭前野で高まると、神経細胞間の活動が弱まり、それにつれて脳内で情報をやりとりするネットワークの活動が弱まります。
その結果、行動を調節する能力も低下して、自制心はバランスを崩していくのです!
このように、ストレスに悩んでいる状態では、冷静な判断ができず、投資判断を誤るリスクが高まります。
投資対象の値動きに一喜一憂してほかのことに手がつかなかったり、仕事や私生活でストレスを感じがちだったりする時期には、いくら目先の値動きが好ましく見えるものであっても、重要な投資判断を避けた方が無難と言えるでしょう。
堅実な投資のために、ストレス対策は不可欠
資産を増やすために、何らかの投資は必要です。
しかし、投資がストレス要因になったり、ストレスを抱えたりした状態で投資判断をすれば、せっかくの運用も台無しになってしまうでしょう。
そこで、投資に関するストレス対策をまとめてみました。
対策1:リスクに備えておく
身も蓋も無い話ですが、100%儲かる話なんてありません。
投資にはリスクがつきものであり、リスクへの不安がさらなるストレスになってしまいます。
そこで、例えばいくらまで値が下がったら損切りの売却をするルールを決めておく、など、リスクへの備えを取るようにしましょう。
対策2:取引の時間を決めておく
現在は、ネット証券会社の普及により、スマホやパソコンで事実上いつでも取引ができるようになりました。
しかしその分、常に値動きや取引が気になってストレス要因になってしまうことがあります。
取引の時間を決めておき、振り回されないようにしましょう。
対策3:日ごろのストレス対策をおろそかにしない
投資でストレスはたまらなくても、ストレスのたまった状態で投資判断をすることは危険です。
適度な睡眠と、栄養のバランスのとれた食事を心がけるとともに、自分なりのストレス解消方法を作っておき、こまめなストレス解消を心がけましょう。
まとめ
- 個人投資家の多くは、平均的な給与所得者から引退した高齢者が多く、株式などへの投資は、普通の人の資産運用手法として定着しています。
- 投資自体にストレスを感じる場合はもちろん、仕事などでストレスを感じがちな時期は、判断力が鈍るので投資判断を避けた方が良いでしょう。
- 投資自体がストレス要因にならないよう、またストレスで投資判断が狂うことのないよう、ストレス対策をおろそかにしないようにしましょう。
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