健康法・ストレス対策
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【ご両親必読】子供が受験ストレスでうつにならないための対処法

中高生は、思春期特有の気持ちの浮き沈みもあるので、ご両親がお子様のうつ症状を見破れずに病気を悪化させてしまう事もあります。ここでは、受験生のお子様をご家庭に抱える親御さんも参考になるような「受験うつ」について解説していきます。

子供が受験ストレスでうつ病にならないための対処法

両親がうつ病を理解してあげる事が大事

受験をきっかけにうつ病になってしまうお子様は意外と多いです。うつ病はデリケートな問題なので、ご両親はできる限りこの病気に対して慎重に対処していかなければなりません。うつ病に気付かず放置していてもいけませんし、叱ったり説教したりするのもよくありません。

子供はうつ病にならないと言われていた時期もありましたが、現代では年齢関係なくうつ症状は出るものとされています。うつ病は心が疲れてしまい、生きる気力をなくしているような状態なので、症状がある場合は十分休ませてあげる事が必要です。ご両親もうつ病についてよく理解した上で、「一緒に治していこう」と温かく見守ってあげなければいけません。

怒るのはタブー

10代の頃は心身共に発達過程にあるデリケートな時期なので、落ち込んだ気分を大人のようにうまく表現できない事も多く、言動や身体に異変が出やすくなります。お子様がうつ病を抱えている場合、朝起きるのが遅くなったり、動作が遅くなったりしがちなので、ご両親はつい「もっとしっかりしなさい!」と強くあたりたくなりますが、これはNGです。

反対に、お子様のうつ症状について必要以上に不安になりすぎてしまう親御さんもいます。お子様の体調やメンタルが著しく悪いことが、夫婦仲に影響を来すケースがあり、その様子を見たお子様が「自分のせいだ…」と深く傷つき、もっと心を閉ざしてしまう恐れもあります。

愛情を持って接しする

思春期のお子様の心情は、親御さんが思っているよりナイーブで情緒不安定です。考え過ぎてしまう子供もいて、時々「どうして私なんか生んだの?」など、親をぎょっとさせるような質問をぶつけてくる事がありますが、そのような問いにご両親がどう反応してくれるかを実は探っているのです。ご両親の対応を見て安心したいという思いや、構ってほしいという心理がうかがえますね。こんな時期こそ、ご両親の愛情が必要不可欠です。

断る時はやんわりと

しかし、お子様の中にはうつ病を言い訳にして色々な要求をしてきたり、理不尽なわがままを言ってきたりする場合もあります。このような時は甘やかすのではなくやんわりと断る勇気も必要です。

うつ病は時に、ものすごくわがままにうつることがあります。構ってほしくない!と思っている一方で孤独をひどく嫌うところもあり、感情の波が激しいのです。イライラして怒りっぽくなる時もあれば、ふさぎこんでしまう時もあります。親にとって本当に不愉快で面倒な言動ばかりで疲れてしまう事もたびたびあります。 一生懸命ケアをしてあげようと考えているのに、子供に不愉快な行動をとられてしまったら、腹立たしくもなりますよね。

しかし気を使いすぎると、ただの特別扱いになってしまいますし、過保護になりすぎて、お子様の成長を妨げる結果にもなります。受験うつのお子様との距離のとり方や対応は非常に難しいですが、うつ病である事で厳しく叱ったり強く否定したりすることは避けましょう。

最近増えている受験ストレスや受験うつ

思春期と間違えやすい受験うつ

受験を機に中高生がうつ病になるケースは珍しくありません。子ども達に大きなプレッシャーを与える受験はうつ病の引き金になりやすくなります。特に繊細なお子様だと負担を抱えきれず、メンタルが弱ってしまうという事はよくあります。

また、不眠あるいは過眠が長く続くと、大人のうつ病と似たうつ症状が見られるようになります。心と身体の変化に戸惑う思春期の時期は気持ちが沈んでしまい、親と話したがらなかったり避けたりする子供が多いので、うつ病になりかけていても、ただの反抗期だと解釈してしまうご両親もいて放置されてしまうケースもあります。

うつ病になると悲しみやいらだちが勝ってしまい、いつもなら楽しんでできるゲームや遊びにも関心を示さなくなります。そんな時にこそ「あれ?最近何かちょっと様子がおかしい」と、変化に気付いてあげることが大切です。

お子様の変化に敏感に

お子様が死に関する事を常に考えているようであれば即座に専門医に受診させるようにしましょう。また、いつもとは異なるネガティブな発言が増えてきた時も気にかけてあげるといいでしょう。それはお子様からのSOSかもしれません。

お子様が受験でうつになってしまった場合、うつ病の程度によっては薬物療法や精神療法を取り入れる事によって改善を図る事ができます。しかし、10代など未成年のお子様の場合、最初に精神療法を行い、必要な時に薬物療法を取り入れるのが主流です。

うつ病予防に努める

日頃から、うつ病予防を努めることも大切です。普段からお子様の様子を気にかけ、コミュニケーションをとるようにしましょう。この年代のお子さんたちは、ちょうど思春期でもあり、コミュニケーションを避けたがることもあるので難しい時期です。しかし、怒ったり諦めたりするのではなく、お子様が自分の事について話し始めたら、批判したり親の価値観を押し付けたりせず、いつでも穏やかに話を聞いてあげられるという受け入れの姿勢があるといいでしょう。

見逃さないで!受験うつの症状

受験によって生じるストレスは必ずしも悪いものばかりというわけではありません。適度なプレッシャーが良い意味の緊張をもたらし、それが集中力となり、さらに努力する気になったり合格に結びついたりする事もあります。しかしその一方で、大きすぎるストレスは記憶の中枢を司る「海馬」にダメージを与え、能力低下につながるリスクもあります。この場合は悪性ストレスなので放置していてはいけません。受験に成功するためにも、できるだけ悪性のストレスの少ない環境でお子様を学ばせてあげる事が大事です。

受験勉強中のストレスはつきものです。しかしそのストレスを甘く見ていてはいけません。まずはお子様のストレスに気づいてあげる事が合格への近道です。それに合わせてお子様に合った勉強法を考えてあげ、その時々の脳機能に合った勉強の進め方をしていくといいでしょう。

子供が受験うつだと感じたときの対応

受験うつは中高生特有のうつ病です。周りから過度な期待が与えられて、それをプレッシャーに感じたり、試験に失敗して劣等感を抱いたりなど、受験期間に起こるトラブル例は色々あります。

大切なお子様がうつ病になってしまったら、まずはその事実にご両親はショックを受けてしまいますよね。そしてこの先、どのように接したらいいか戸惑いを感じてしまうでしょう。最近ではうつ病になってしまうお子様が増えていますが、同様にうつ病の子供への接し方に悩む人も増えています。

受験うつの症状

受験によるストレスには以下のような症状が挙げられます。

  • イライラ
  • 悲壮感
  • 引きこもり
  • 食欲減退
  • 集中力の欠落(勉強に集中できずネット依存など)
  • 脳機能の低下(成績の下落)

受験うつの治療法

受験うつの治療では、他のうつ病と同じように薬物治療や精神療法を使っていきます。

薬物治療では、10代の若年層に対する治療なので、最初は副作用のリスクが少ない薬を使うなど、身体への負担を考慮して弱めの薬を選んでいきます。精神療法では、薬に頼らず芸術鑑賞するなどして非言語的なアクティビティによって症状の改善を試みるものです。これら精神療法と薬物療法を併用して治療していく事も可能です。

十分な睡眠をとる

お子さんの受験うつの原因は、睡眠時間の不足が関係しているかもしれません。睡眠時間が少ないと、身体だけでなく頭や心もやすまらないので疲労がどんどん蓄積されてしまいます。受験期でも7~9時間の睡眠時間をとるのが理想的です。特に脳内では夜10時~2時の間に身体の成長を促すホルモンが分泌されるのですが、これは疲労回復ややる気アップ、心の安定につながるので、この時間帯はしっかり睡眠をとっておきたいものです。毎日早寝早起きを心がけましょう。

誰かに話をする

つらい事や苦しい事があれば自分一人でためこまず、誰かに話してみるだけでも心が落ち着いてきます。受験勉強中はどんな時間も無駄にしたくないと思ってしまいがちですが、信頼できる人との会話は決して無駄ではありません。その時間があるからこそ気分をリフレッシュできたり、意欲が増したり、モチベーションアップにつながって受験に有利になるのです。

グチや不満、弱音を自分の内側にばかりためこんでいるとストレスになってしまうので、話を聞いてあげたり、誰かに聞いてもらうようアドバイスしたりして、ストレス発散を心がけましょう。誰かと話すだけでも「次からまた頑張ろう!」と気分を入れ替える事ができるでしょう。

過度なプレッシャーを与えない

少子化の現代、子供一人に対しての期待も大きくなっていて、親の押しつけや要望にプレッシャーを感じてしまうお子様も多いようです。お子様はこのような期待に何とか応えようとして必死に頑張るものの、うまくストレス解消できていないと次第に苦しくなってうつ病へと発展してしまいます。

まとめ

  • 受験期間中の子供はストレスや受験うつになる可能性があります。
  • 思春期と受験うつを間違えやすいので子供の変化を敏感に察ししましょう。
  • 「イライラしている」「引きこもり」など子供の変化に気づいたらアドバイスをしましょう。

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