ストレスホルモンの代表格!コルチゾールって何?
身体がストレスを感じると、体内に様々なホルモンが分泌され、場合によってはホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。
その中でも、ストレスと関係が深いと言われるのが、ストレスホルモンの一つとも呼ばれる「コルチゾール」。
でも、コルチゾールがどんなホルモンで、いったいどんな働きをしているのか、ちゃんとわかっている人は、ほとんどいないですよね?
そこで、コルチゾールの働きについて解説します!
もともとは目覚まし時計。コルチゾールの基本的な働き
コルチゾールは、腎臓の上にちょこんと乗っている副腎の周りにある、副腎皮質で作られるホルモンです。
主に身体の中のエネルギー(≒糖質)の流れに作用することから、糖質コルチコイドの一種として分類されています。
また、ストレスを感じた状況で分泌されることから、ストレスホルモンともいわれます。
ストレスホルモンというと何やら悪役のイメージが強くなってしまいますよね?
でもコルチゾールは、ストレスを感じたときにだけ分泌されるホルモンではありません。
身体の機能をちょうどよく保つために、不可欠な存在なのです。
コルチゾールは主に、体内の脂質やたんぱく質をエネルギーに変えることや、血圧を高めることを促します。
一般には、睡眠中はコルチゾールの分泌が低く、午前3時ころから明け方にかけて分泌が増え、起床後30~60分後にもっとも分泌が増えると言われます。
これは、何も食べておらずエネルギーが身体に回っていない睡眠中から、起床後すぐにエネルギーを使って動けるようにするための機能と考えられています。
また、睡眠時と比べてストレスを感じやすい日中に備え、身体中へのエネルギー供給を促す役割もあるのです。
その意味では、目覚まし時計のような働きをしているホルモンと考えられるでしょう。
そのほか、コルチゾールは体内の免疫機能を緩和して炎症を抑える働きがあることから、消炎剤の成分として使われることがあります。
このように、コルチゾールは、基本的には身体のバランスを整える働きをしており、それ自体では悪者ではなく体に必要な存在なのです。
過度のストレスで一変?コルチゾールの分泌が増えすぎたら・・・
このように、本来ならば身体の正常な機能を保つ働きをするコルチゾールですが、過剰なストレスなどで分泌バランスが崩れると、身体に様々な悪影響をもたらすことになります。
心疾患・脳梗塞のリスク増大
ストレスを受けた状態が続くと、体内では、ストレスに対処するエネルギーを得るため、コルチゾールの分泌が増えることになります。
これにより、心臓も活発に動き、血圧が上がりますが、このような状況が続くと、まず、心疾患や、脳梗塞の危険が高まることになります。
感染症にかかりやすくなる
コルチゾールによって免疫機能が緩和されたままだと、それだけウイルスや細菌に感染しやすくなり、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザにかかりやすくなったりします。
肌への悪影響
コルチゾールの分泌が増えることで、男性ホルモンの分泌も増えて皮脂が出やすくなり、ニキビができやすい肌になってしまいます。
また、成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうことで、肌の新陳代謝が滞り、肌荒れを起こしやすくなります。
脳の記憶や認知機能を損ねる恐れも!
緊張状態が続くことで記憶力や学習効率が低下するほか、コルチゾールの過剰な分泌によって脳の海馬が委縮し、認知や記憶の機能そのものが損なわれるという指摘もあるのです!!
結局は自分次第?ストレスマネジメントでコルチゾールとよい付き合いを!
適量の分泌であれば、コルチゾールは身体のバランスを整え、ストレスと戦う力を授けてくれます。
しかし、これまで見たように、ストレスを受け続け、コルチゾールが過剰に分泌されると、身体に様々な悪影響をもたらしてしまいます。
結局、コルチゾールをよいものするのも悪いものにするのも、ストレス次第と言えそうです。
ストレスを感じ続けるような環境を見直したり、自分が意識しないストレス要因に少し注意を払ってみたり、ストレス要因から遠ざかったりなど、ストレスとうまく付き合うことが大切です。
また、こまめにストレス解消をしたり、食事や睡眠、運動など、規則正しい生活習慣を取ったりすることも、併せて重要でしょう。
コルチゾールをむやみに恐れるのではなく、自分のストレス要因や日々の生活を見直すバロメータの一つと考えるがよいのかもしれません。
まとめ
- 副腎皮質で作られるコルチゾールはストレスホルモンと呼ばれますが、身体のエネルギー消費をコントロールするなど、重要な役割を果たしています。
- ストレスによるコルチゾールの過剰分泌は、心臓病や脳梗塞のリスクを増大させるなど、身体に様々な悪影響をもたらします。
- コルチゾールを善玉にするのも悪玉にするのも、ストレス次第。上手なストレスマネジメントを心がけましょう。